永遠の日本のふるさと遠野
一般社団法人遠野市観光協会
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遠野語講座

第20回 んで、まだ、おで

遠野で日常的に使われている「お国言葉」をご紹介します。ぜひ声に出して、その響きのあたたかさを味わってみてください。

遠野語講座

「じゃあ、本当にお世話になりました」
民宿までみんなに送られて、あやが感謝を込めて言った
「おもせがった?」ナオコが「楽しかった?」と、聞いた
「うん、今日の女子会、おもせがった!」
「あや、あやちゃん、遠野語うんまぐなったごど!がはは・・・」
みんなも大声で笑った
「なにその、じょしかいって?」ユミコが笑いながらも聞いた
「なんたら、ユミコは女子会しらねの?んだがらじぇんごたれっていわれんだよ」
「んだって・・しらねもの」ナオコにじぇんごたれ、つまり田舎者あつかいされて
ユミコは「だって、しらないもん」と少しすねた
「ユミちゃん、女子会ってね、女の子だけの飲み会のこと、姫会なんても言うけどね」
「なんたら、そったなごどおらだじいっつもやってるよね!あははは・・・」
こまったあねさんたちだった、いつも女だけで集まって飲んでるらしい
遠野にも肉食系の女子が増えているようだ
「じゃあ、こんどさむどぎおんで、遠野はやっぱり冬だべ!」
「んだんだ、どぶろぐで女子会やっぺ」
「囲炉裏かごってさ、まだみんなであづまって、のむべ!」
「ナオコはね、むがすかだりうんめんだよ、たいすたもんだがら!」
「そだね、ナオコのむがすかだりきぎながら、どぶろぐのむべー」
夜も遅いのに民宿の前であねさんだじが、大声で語り始めた
要約すると「今度の女子会は冬にしよう、囲炉裏囲んでドブロクのみながら、ナオコの昔語りでも聞こうよ、上手なんだよ・・」ということなのだ
「でも、寒いよね?」あやが少し不安そうにいった
「なんともねがら、みんないぎでっから、東京よりぺっこさむだげだ!」
だいじょうぶ皆、遠野の人は生きてるんだから、東京より少し寒いだけだよ、とヨシコは言う
「んだんだ、さむどぎこんねば、遠野のいいどごなんてわがんねんだがら」
さらにユミコが「寒いときに来ないと遠野の本当のいいところはわからないよ」と後押しした
「そう、じゃあ、せっかく友達もできたし、今度の冬はまた来るかな!」
あやの決心にみんな飛び上がって喜んだ

次の日、遠野駅には二日酔いの姉さんたちが集まった
ホームでナオコが紙袋から酒饅頭をとりだし皆に配った
「まさがさ、いぐらおらだじだって、まっぴるまがらのめねがらす、酒饅頭でかんぱいだ!」
いくら私達だって昼間から飲めないもんね、酒饅頭でかんぱいだね!っていったのだ
まだ暖かい饅頭をちょんちょんとぶつけあい乾杯のまねをした
んで、まだ、おで」みんながまたおいでねと言った
たった一晩飲んだだけですっかり仲良くなったことに感激してあやは涙ぐんだ
「じゃ、またね!」
「あーやなんたら、あやちゃん、遠野語でそれ、なんていうんだっけ?」ナオコが言うと
少し考えてからあやが大きな声で皆に叫んだ
んで、まんつ!」

[[[ 多田きんや プロフィール ]]]

1955年遠野市生まれ、千葉県在住のガーデンデザイナー・グリーンコーディネーター。本業の傍らイラストレーターとしても活動、遠野のイラストマップ、双六、カルタなども旅の蔵にて販売している。
本業のガーデニングの本、農文協の「きんや先生の園芸教室・はじめての寄せ植え」や旅と思索社「二十世紀酒場1,2」などがある。


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